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内モンゴル旅 B面

行きたい場所も、二度と行きたくない場所も──私にとって、それは同じ「内モンゴル」だ。

原因は、旅行代理店を通じて手配した個人ドライバー。

最初は親切そうに見えた。雨で乗馬ができなかったときは、暇つぶしに馬のショーに連れて行ってくれたりして。 でも事件は、砂漠へ向かう途中に起きた。

私たちは「莲花沙漠」に行きたいと事前に伝えてあった。道中、看板にその名前を見つけて「もうすぐだな」と思った瞬間、ドライバーはその入口を素通り。到着したのは、聞いたことのない別の砂漠だった。

夫が問いただすと、ドライバーは涼しい顔で言う。 「あなたたちが希望する砂漠は人気で混んでるし、入場料も高い。ここなら空いていて快適、しかも適正価格だ」

……いや、そういう問題じゃない!選ぶのは私たちだ。怒りで胃がキリキリした。

子どもたちはラクダに乗ったり、砂遊びをして楽しそうだったけれど、私と夫はモヤモヤ。砂漠といっても木が点々と生えていて、想像していた絶景とは程遠かった。

ただ、ここから空港まで送ってもらうには、ドライバーの機嫌を損ねるのは危険だ。無力な外国人の私たちにできるのは、安全を最優先すること。迎えに来た彼に、私は満面の笑みで「楽しかったよ!」と伝えた。内心は煮えくり返っていたけれど。

空港への道中、ドライバーは自分の不幸話を延々と語り、最後には夫にこう頼んだ。 「ここで口コミを書いてくれ。五つ星をつけて欲しい」
……お前には最低評価を叩きつけたい!と心で叫びながらも、夫は安全を人質に取られた気持ちで、結局五つ星をつけた。

空港に着くと、彼は笑顔で言った。 「また内モンゴルに来たら連絡して!もっといい場所に連れていくから!」

……誰が連絡するか!

もちろん、観光ドライバー全員が彼のような人ではない。もっと話せば誤解が解けたのかもしれない。 それでも、旅の印象は風景だけでなく「人」によっても大きく左右される。

あの草原の静けさを思い出すたびに、胸の奥がざわつく。苦い記憶もまた、旅の風景の一部として、消えずに残っているのだ。




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