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一番話した中国語

「请放在桌子上」
外卖(デリバリー)や荷物が届くたび、配達員から電話がかかってくる。中国では一般的にドアまで届けてくれるが、私たちが住んでいたマンションはセキュリティが厳しく、部屋まで運んでもらえない。マンションの入り口にあるテーブルや棚に置いてほしい旨を、電話で伝える必要があった。

近くまで来ると、配達員が電話してくる。何を言っているのかわからないときでも、このフレーズさえ言えば大体どうにかなった。
ただ、私は声調がとても苦手で、いつまでたっても覚えられない。何度も同じ間違いをして、そのたびに子どもや夫が私の発音を聞いてくすくす笑う。それが本当に嫌で、電話にはこそこそ出ていた。

もうひとつ、よく使ったのは自己紹介の「我是日本人」。
この“日本人”の「r」の発音がうまくできない。ある日、タクシーに乗ったとき、運転手に「何人?」と聞かれたのでそう答えると、「お前の発音は違う!こうだ!」と何度もお手本を聞かせてくれた。そして目的地まで、何度も練習させられることに。

到着するころには、少しだけ舌の位置がつかめてきた。
「そうそう、それだ!」と笑ってくれた運転手。
降りるとき、私は「谢谢!」とだけ言ったけれど、心の中では「おかげでちょっと上手くなったかも」とガッツポーズをしていた。

中国で一番口にしたのは、テキストに載っているきれいな例文ではなく、生活の中で何度も必要になったフレーズだった。
発音が完璧じゃなくても、繰り返すうちに少しずつ形になっていく。
その積み重ねが、自分の中国語を作っていくのだと感じた。

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