北京に住み始めてすぐに、「現金オンリー」の事態がやってきた。
中国では、スマホひとつでほとんどの支払いができる。
タクシーもスーパーも屋台も、みんなQRコードで。
財布を持ち歩かなくても生きていける。
だからこそ、「現金が必要」な場面に出くわすと焦るのだ。
地下鉄に乗って出かける用事があったので、事前に「北京一卡通」を作ろうと思い、最寄りの駅へ。
PASMOやSuicaのような交通カードだ。
まずは自販機のような機械をチェック。切符は買えるけれど、カードは買えそうにない。
意を決して、有人の窓口へ。
カタカナで書いたメモを握りしめて「我要买一卡通」と伝えると、なんとか通じた様子。
ところがその後、窓口のお姉さんが何かペラペラ話しかけてくる。
……わからない。
お会計かな?と思い、WeChat Payの画面を見せると、首を横に振られて「現金」という単語だけ聞き取れた。
――現金、持ってない。
諦めようかと思ったそのとき。
お姉さんが窓口から出てきて、通りすがりの若い女性を呼び止め、何やら話している。
するとその女性が、自分のWeChatのQRコードを出してくれた。
お姉さんの説明をなんとか理解すると、
「彼女に100元を送金して、現金と交換してもらえばいい」とのこと。
言われた通りに送金すると、女性が100元札を手渡してくれた。
その現金を握りしめて窓口に戻り、無事に一卡通をゲット。
思い返しても、北京での三年半で“現金じゃなきゃダメ”だったのは、この一度きり。
あのときの窓口のお姉さんの機転と優しさには、今でも感謝している。
もっと中国語が話せたなら、あのとき助けてくれたお姉さんたちに、きちんと「ありがとう」を伝えられたのに。
中国語は全然わからなかったけれど、「なんとなくわかる」瞬間がある。
でも、少しずつ言葉がわかるようになると、やっぱり世界がもっと広がって、楽しくなる。
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