2024年3月までの約3年半、私は家族とともに北京で暮らしていました。
その間、北京BC学院で中国語を学び、最後の一年には、日本人の奥様向けイベントのお手伝いもさせていただきました。
帰国を控えたある日、タイガー社長から日本BC学院のお話を伺い、「ぜひお手伝いさせてください」と申し出たのが、今の仕事につながっています。
私と娘は、週に数回ずつ、刘老师に自宅でレッスンを受けていました。先生はほぼ毎日来てくださって、授業はいつも「お悩み相談コーナー」から始まります。
淘宝の荷物が届かない、京东で買った服のサイズが合わない、外卖の注文が間違っていた……そんな“暮らしの中の中国語”が、私たちの教材でした。
ときには先生の家族の話に広がることもありました。お義母さんが大量の白菜を持って北京に来る話や、ダイエットのための夜の散歩の話まで。教科書も大事ですが、私たちの授業はいつもフリートークが中心でした。
美容院で髪を切りすぎた先生の話に、「言葉が通じても通じなくても、困る内容は似てるんだな」と笑ってしまったことも、今では大切な思い出です。
現在は、日本BC学院でスクールマネージャーをしています。生徒募集、授業手配、広告づくり、北京との会議など、いわば“なんでも屋”です。
「中国に行く前に少しでも中国語ができていたら、もっと楽しめただろうな」
そんな実感があるからこそ、日本にいながら学べる場づくりが私のやりがいです。
「行く予定はないけれど興味がある」という方にも、安心して学べる環境を大切にしています。
言葉を学ぶことは、小さな旅のようなもの。たとえ遠くへ行かなくても、世界とつながれる力になると感じています。
最初はピンインも声調も分からず、授業のたびに汗だくでした。最後まで汗は止まりませんでしたが、「楽しみながら学ぶ力」は少しずつ育っていたように思います。
今も中国語を流暢に話せるわけではありません。でも私は、中国語を“楽しむ力”にはちょっと自信があります。
それを生徒さんたちにも伝えていくこと。
それが、私の仕事だと思っています。


